2026年ミラノ・コルティナ五輪のフリースタイルスキー日本代表だった近藤心音(こんどう・ここね)さんが、代表チームの関係者から「嫌がらせ」「いじめ」「パワハラ」を受けていたとSNSで告発し、大きな波紋が広がっています。
近藤さんといえば、北京、ミラノ・コルティナと2大会連続で五輪代表に選ばれながら、いずれも負傷によって競技に出場できなかった選手。
そして2026年6月には、22歳という若さで現役を引退しています。
今回の告発では、その引退についても、
「ここに居たら、この場所に身を置き続けたら、心が死ぬと思いました」
と、ケガだけではなかった背景を明かしました。
一体、近藤心音さんに何があったのでしょうか。
今回は、本人が明かした内容とこれまでの報道をもとに、五輪欠場から引退、そして今回の告発までを整理します。
近藤心音が「いじめ・パワハラ」を告発
2026年8月24日、近藤心音さんが自身のInstagramのストーリーズを更新しました。
冒頭には、
「ごめんなさい、ちょっとそろそろ我慢の限界なので話します」
という言葉。
そして、五輪前や五輪期間中に、チーム関係者から嫌がらせやいじめ、パワハラにあたる行為を受けていたと訴えました。
今回の投稿で特に衝撃的なのは、近藤さんが問題としている相手が、外部の人だけではなかったということです。
五輪欠場を巡って近藤さんはSNSで誹謗中傷を受けましたが、その一部について、
「元々友達だと思っていた選手、コーチ、トレーナーでした」
と明かしています。
つまり、近藤さんの主張によれば、共に競技に携わってきた身近な関係者との間にも問題があったことになります。
【告発】ミラノ五輪代表の近藤心音さん、五輪中にチーム関係者から「いじめ・パワハラ」https://t.co/MGjVteXpQi
— ライブドアニュース (@livedoornews) August 24, 2026
フリースタイルスキー競技開始直前に欠場が決まった際、代表帯同トレーナーに一度も治療をされなかったなどの内容を告白。引退したのは「このまま居ると心が死ぬ」と思ったからだそう。 pic.twitter.com/kSzTcVjzw0
いじめ・パワハラをしたのは誰?
当然気になるのが、
「誰が近藤心音さんにいじめやパワハラをしたの?」
という点でしょう。
しかし、ここは慎重に見る必要があります。
2026年8月24日現在、近藤さんは問題の行為に関わった人物の実名を公表していません。
本人の投稿から確認できるのは、
- 選手
- コーチ
- トレーナー
- 五輪期間中の代表帯同トレーナー
といった立場までです。
したがって、現在の日本代表選手やスタッフの名簿から人物を推測し、
「この人では?」
と特定することはできません。
SNS上で名前が挙がったとしても、本人や競技団体などによる裏付けがない限り、事実として扱わない方がいいでしょう。
五輪期間中には「治療してもらえなかった」と主張
今回の告発でもう一つ大きなポイントとなっているのが、2026年ミラノ・コルティナ五輪での出来事です。
近藤さんは五輪期間中、代表帯同トレーナーからパワハラを受けていたと主張。
さらに負傷による欠場が決まった後について、
「一度も治療を行ってもらえませんでした」
と明かしました。
ただし、誰からも治療を受けられなかったわけではありません。
近藤さんによると、実際に治療やケア、出場を目指すためのサポートを行ったのは、JOC(日本オリンピック委員会)から帯同したドクターやトレーナーだったとのことです。
ここは重要なポイントでしょう。
近藤さんは「日本代表に関わるスタッフ全員」を批判しているわけではなく、自分を助けてくれたスタッフについても明確に区別して説明しています。
近藤心音はミラノ五輪で何があった?
今回の告発を理解するには、2026年2月のミラノ・コルティナ五輪まで遡る必要があります。
近藤さんは女子フリースタイルスキーの、
スロープスタイル
ビッグエア
の日本代表に選出されていました。
しかし2月5日、スロープスタイルの公式練習中に転倒。
左膝の前十字靱帯と内側側副靱帯を損傷する大ケガを負いました。
それでも近藤さんは、すぐに出場を諦めたわけではありません。
治療を受けながらトレーニングを続け、最後まで出場する可能性を探っていました。
当時の取材でも、
「私は逃げることもできたけど」
と語り、負傷の事実を受け入れた上で最後まで五輪の舞台に立とうとしていたことを説明しています。
スタート直前まで出場を目指していた
近藤さんが女子スロープスタイルを欠場したのは2月7日。
実は単に、
「ケガをしたからすぐ棄権した」
という状況ではありませんでした。
スタート直前まで出場へ向けて準備した末に、最終的に棄権しています。
さらに、もう一つの出場種目だったビッグエアについても、膝の状態を考えて欠場。
結果的に近藤さんは、五輪代表として現地入りしながら一度も本番を滑ることなく大会を終えました。
実は北京五輪でも同じことが起きていた
近藤さんにとって、この結果がより残酷だった理由があります。
4年前の北京五輪でも、負傷によって競技に出場できなかったからです。
2022年北京五輪でも日本代表に選出されましたが、大会直前に右膝を負傷。
スロープスタイルとビッグエアを欠場しました。
そして4年間努力してたどり着いた2026年の五輪で、今度は左膝を負傷。
2大会連続で「五輪代表になりながら本番を滑れない」という結果になってしまったのです。
五輪欠場後には誹謗中傷も
さらに近藤さんを苦しめたのが、SNS上での誹謗中傷でした。
五輪を棄権した直後、近藤さんのSNSには、
「もし選ばれても次は辞退してくださいね」
という趣旨のコメントまで寄せられました。
近藤さんはこれを自身のInstagramで公開し、
「人生で初めてのアンチです」
と反応。
一方で、自分は最後まで最大限の努力をしたため、行動に悔いはないという思いも明かしていました。
4年間を費やして戻ってきた五輪。
そこで再びケガをし、出場できないだけでも相当なショックだったはずです。
その直後に心ない言葉まで浴びせられたことになります。
近藤心音選手にこういうコメントは有り得ないよな。
— ⚖️晴矢(はれるや)⚖️ (@h_kazu_) February 7, 2026
炎上したら逃げやがった
オリンピックって出たくても出れない枠が限られてんで? pic.twitter.com/DnafFpxaGA
近藤心音はなぜ22歳で引退した?
近藤さんはその後、2026年6月に現役引退を発表しました。
2003年2月19日生まれの近藤さんは、まだ22歳。
フリースタイルスキー選手として考えても、今後の活躍を期待できる年齢だっただけに、引退を惜しむ声もありました。
今回の投稿では、その決断に至った理由についても踏み込んでいます。
大きなケガだけではなく、チーム内で経験したとする出来事も影響していたようです。
近藤さんは、
「ここに居たら、この場所に身を置き続けたら、心が死ぬと思いました」
と当時の心境を告白。
そして、
「だから離れました。離れるしか選択肢がありませんでした」
と説明しています。
これまで外から見ると「大ケガを負ったことが引退につながった」と受け取られていた部分もありました。
しかし今回の告発によって、少なくとも近藤さん自身の認識では、競技環境で感じていた精神的な苦痛も引退を決断した重要な背景だったことが分かってきました。
最近の「脳しんとう研修」も告発のきっかけに?
では、なぜ引退から約2か月が経った8月24日に声を上げたのでしょうか。
今回の投稿では、最近代表チームの合宿で行われたという脳しんとうに関する研修にも触れています。
近藤さんによると、その中で選手の取り組みを否定するように感じる複数の発言があったとのこと。
これに対して近藤さんは、こうした状況に陥った際に選手やコーチがどう対応すべきなのかを話し合うことこそ、研修の目的ではないのかという趣旨の疑問を投げかけています。
つまり、過去の出来事だけを突然告発したというより、引退後も競技界のあり方に疑問を感じる出来事があり、今回の発信につながったと読み取れます。
「復讐」のための告発ではないと説明
今回の発信で近藤さんが強調していることがあります。
それは、
誰かを晒して満足することが目的ではない
ということです。
近藤さんは、選手同士が貶し合ったり潰し合ったりするのではなく、お互いを称え、尊敬し合えるチームになってほしいという願いをつづっています。
そして次世代の子どもたちが積み重ねてきた努力が報われる競技環境になってほしいため、勇気を出して発信していると説明しています。
さらに別の投稿では、
「この投稿、よく読んでください。批判だけをしている文章ではないはずです」
とも訴えています。
この部分を見る限り、近藤さんが求めているのは特定個人へのネット上での攻撃ではなく、競技環境そのものの改善なのでしょう。
近藤心音の告発は事実と確定した?
ここについても区別しておく必要があります。
今回明らかになったのは、近藤心音さん本人が「いじめ」「嫌がらせ」「パワハラ」があったと告発したという事実です。
一方、
「具体的に誰が何をしたのか」
「双方の認識は一致しているのか」
「競技団体は事実関係をどう把握しているのか」
などについては、8月24日現在、今回確認できた報道だけでは十分に明らかになっていません。
したがって現段階では、
「パワハラが認定された」
とまで書くのは早いでしょう。
本人の重大な告発であるからこそ、近藤さんの訴えを正確に伝えることと、まだ確認されていない部分を断定しないことの両方が重要です。
今後は競技団体の対応にも注目
そして今回、最も重要になってくるのが今後の対応です。
近藤さんが訴えているのは、単なるSNS上のトラブルだけではありません。
五輪代表チームの選手・コーチ・トレーナーとの関係や、五輪期間中のサポート体制にまで及ぶ内容です。
そのため今後、
競技団体が事実確認を行うのか
という点にも注目が集まりそうです。
もし調査や関係者への聞き取りが行われ、公式な説明が発表されれば、今回の問題の全体像がさらに見えてくる可能性があります。
まとめ
近藤心音さんは2026年8月24日、自身のSNSで、五輪前や五輪期間中にチーム関係者から嫌がらせ、いじめ、パワハラにあたる行為を受けたと告発しました。
近藤さんは2022年北京五輪、2026年ミラノ・コルティナ五輪と2大会連続で日本代表入り。
しかし、いずれも大会前の負傷によって競技には出場できませんでした。
ミラノ五輪では左膝の前十字靱帯などを損傷しながら、スタート直前まで出場を目指していました。
そして五輪から約4か月後の2026年6月、22歳で現役を引退。
今回、引退理由についても大きなケガだけではなく、この環境に居続ければ「心が死ぬ」と感じたことがあったと明かしました。
一方、近藤さんは問題の行為に関わったとする選手やコーチ、トレーナーの実名を公表していません。
現段階でネット上の情報から特定人物を「加害者」と決めつけることはできないでしょう。
近藤さん自身も、誰かを批判するだけではなく、次世代の選手たちのために日本のフリースキー界を良い方向へ変えたいという趣旨を説明しています。
勇気をもって発信された今回の告発。
今後、競技団体や関係者がどのように受け止め、事実確認や競技環境の改善につなげていくのかが大きな焦点になりそうです。


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