オスナ激怒のファウル判定…リプレー制度は限界？改善策は

2025年9月2日の巨人戦で起きたオスナ選手の「誤審ファウル判定」。

リプレー検証でも覆らず、怒りを露わにした一件から、判定制度の課題と改善策を考えます。

記事を読んでわかること

　2025年9月2日の巨人―ヤクルト戦（京セラドーム）で、ヤクルトのホセ・オスナ選手の打球をめぐる判定が波紋を呼びました。

初回一死満塁の場面で放った打球は三塁線際に転がり、三塁塁審の嶋田審判は「ファウル」と宣告。

ヤクルトの高津監督はすぐにリクエストを要求しましたが、リプレー検証でも判定は覆りませんでした（出典：東スポWEB 2025年9月2日）。

　納得できなかったオスナ選手はヘルメットを叩きつけ、グローブを乱暴に外すなど、普段は温厚な姿からは想像できない激しい怒りを示しました。

SNSでも「完全にライン上だった」「リプレーの意味がない」と批判が相次ぎました（出典：Xユーザー @27Furu、@kn_swallows ほか）。

　なぜ判定は覆らなかったのでしょうか。

リプレー制度では「明らかな誤審」と確認できる場合に限り判定が変更されます。

複数のカメラ映像を確認しても、白線の上か外かを“確実”に証明できなければ、元の判定が優先される仕組みです。

　今回のケースでは、カメラ角度や画質の制約から「決定的な証拠不足」とされた可能性が高いとみられます。

制度のルール上は正しい運用だったものの、納得感を欠く結果となりました。

　米大リーグ（MLB）では、フェア／ファウル判定に専用カメラを設置し、より明確な判断を可能にしています。

また一部映像を観客にも公開し、判定過程の透明性を確保しています。

　それに対し、日本のNPBは放送用カメラに依存する部分が大きく、検証の限界が露呈しました。

ファンにとっては「映像を見ても納得できない」「制度の存在意義が薄い」という不満が残ります。

　今回のケースから導ける提言は以下の通りです。

　オスナ選手の怒りは、一人の感情にとどまらず、制度そのものへの不信感を象徴しています。

審判制度には「正しい判定」と同時に「納得できる判定」が求められているのです。