第94回日本学生対校選手権(日本インカレ)に出場した甲南大学の女子スプリンター・奥野由萌(4年)が、2025年6月6日の4×100メートルリレー決勝でバトン受け渡し時に転倒し、チームは棄権となりました。
奥野選手は肩や膝を負傷したものの、翌日の200メートル予選、最終日の準決勝に出場し、全日程を走り切りました。
転倒当時の模様を中心に詳しくお伝えします。
【映像】転倒は3走バトンパス時に発生
転倒が起きたのは、大会2日目の女子4×100mリレー決勝でのこと。
甲南大学は3連覇を狙って決勝に進出していましたが、3走を務めた奥野選手が2走の千葉安珠選手(1年)からのバトンパス時に接触し、トラックに転倒。
リレーはそのまま棄権となりました。
現場では観客のどよめきが起こり、スタッフが急行。
奥野選手は肘や膝に擦過傷を負いながらも自力で立ち上がり、スタッフに支えられて退場しました。
負傷翌日には200m予選に出場

奥野選手は大会3日目の女子200m予選にも出場。
肩や膝にテーピングを施した状態でスタートラインに立ち、着順で準決勝へ進出しました。
レース後の取材では「最後のインカレなので、出場を決めた」と語っており、負傷を押しての出場だったことが明らかになった。
最終日、決勝進出はならず

迎えた最終日は、女子200m準決勝に出場。コーナー出口では上位争いを展開しましたが、最終的に24秒49(向かい風0.5メートル)でゴール。
組4着となり、決勝進出には0.22秒届きませんでした。
走り終えた奥野選手は「怪我を言い訳にせず、自分の力不足と受け止めている」とコメント。
4年間の競技生活を締めくくる最後のインカレとなりました。
全国トップスプリンターとして活躍

奥野選手は滋賀・彦根翔西館高校出身です。
高校3年時にはインターハイで100m6位。甲南大学では100m、200m、リレーいずれの種目でも全国上位の成績を収めてきました。
昨年の日本インカレでは個人種目でメダルを獲得し、リレーでは連覇に貢献しました。
今季も4月の学生個人選手権で100m3位、200m2位と好調を維持。
リレーにおいては甲南大学のアンカーとして、日本選手権リレー連覇にも貢献していました。
卒業後も競技継続を希望

今後については「陸上は続けたい。企業所属を目指しているが、まだ所属先は決まっていない」と語っており、7月の日本選手権にも出場を予定しています。
甲南大学で4年間にわたりチームをけん引してきた奥野選手。
転倒というアクシデントに見舞われながらも、最後までレースを走り切った姿は多くの関係者に印象を残しました。
【まとめ】
- 奥野由萌(甲南大4年)が日本インカレ女子4×100mリレー決勝で転倒、チームは棄権
- 翌日以降の200mに出場し、準決勝まで進出
- 転倒による負傷を押して全レースを完走
- 卒業後も競技継続を希望、日本選手権出場予定
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